セルヘルス分析

細胞生存／増殖アッセイ

細胞の増殖および生存を測定するアッセイを用いて、さまざまな刺激物質で処理後の培養液中の細胞の反応および健康状態をモニタリングします。適切なアッセイ法の選択は、評価すべき細胞の数と種類、および期待される結果に依存します。細胞増殖アッセイでは、細胞数の経時変化、細胞分裂回数、代謝活性、またはDNA合成をモニタリングできます。トリパンブルーまたはカルセイン‐AMなどの生存色素を用いた細胞数計測により、増殖率および生存細胞の割合が得られます。5(6)-カルボキシフルオレセイン二酢酸N-スクシンイミジルエステル（CFSE）（21888、SCT110）は、ある細胞集団で進行中の細胞分裂回数の測定によく選択されています。CFSEは、細胞に入ると細胞内エステラーゼにより切断されて蛍光化合物を生成し、スクシンイミジルエステル基は細胞内タンパク質の第1級アミンと共有結合的に反応します。分裂ごとにそれぞれの娘細胞の蛍光強度が半減するため、フローサイトメトリーで簡単に分裂回数を検出できます。

細胞毒性アッセイ

代謝活性を測定するアッセイは、増殖、生存、および細胞毒性の分析に適しています。代謝活性のある細胞でのみ、MTTおよびXTTなどのテトラゾリウム塩の着色ホルマザン化合物への還元またはレサズリン（R7017、TOX8）の生体還元反応が発生します。活発に増殖している細胞では代謝活性が増加しますが、毒素にばく露した細胞のように障害されている細胞では代謝活性が低下していることが示されます。

アポトーシスアッセイ

細胞死は、発生とホメオスタシスの両方の過程における多くの正常な生理機能に必要です。腫瘍細胞がアポトーシスと呼ばれるプログラム細胞死を回避する能力は、ほとんどのがんのタイプでみられる特徴となっています。細胞表面受容体、アダプター、プロテアーゼ、ミトコンドリア成分などの多様な細胞タンパク質が、細胞の生存とアポトーシスによる細胞死の間の精密なバランスを制御しています。アッセイ法を慎重に選択することによって、細胞培養条件や治療がセルヘルスに及ぼす影響だけでなく、セルヘルスに影響を及ぼす機序の解析にも役立つ可能性があります。私たちは、初期、中期、後期のアポトーシス検出のための幅広いアッセイ製品のラインナップを提供しています。

細胞汚染検出／除去

細胞を用いた研究では、汚染のない細胞培養物の維持が基本です。細胞培養で最もよくみられる問題は、マイコプラズマ汚染です。マイコプラズマ属の細菌の形態は、大きさがミクロン以下で細胞壁をもたないことを特徴とし、顕微鏡検査によるこれらの細菌の検出はほぼ不可能で、多くの抗菌薬に耐性があります。マイコプラズマは通常、細胞死を引き起こしませんが、培養細胞に対するさまざまな作用、すなわち代謝調節不全、増殖抑制、染色体異常などの原因となっています。簡単に言うと、マイコプラズマ汚染によって、ライフサイエンス研究に意味のあるデータを提供する細胞株が影響を受け、その妥当性が損なわれてしまいます。

関連製品資料

資料：細胞計数・セルヘルス分析
技術資料：アポトーシスアッセイ
技術資料：細胞生存／増殖アッセイ
カタログ：Cell Culture Manual