蛍光レチノイドプローブ
細胞イメージング、タンパク質リガンド結合アッセイ、フローサイトメトリーで使用可能な蛍光レチノイン酸類縁体
蛍光レチノイドプローブとは?
LightOx蛍光レチノイドプローブ(図1)は、UV/近紫外光で励起されると強い蛍光ソルバトクロミズムを示す、オールトランスレチノイン酸(ATRA)の合成類縁体です1。生物学的アッセイにおいて、LightOx蛍光レチノイドプローブは、ATRAと同等またはより強い生物学的活性を示すため、特にレチノイン酸受容体(RAR)を含む幅広いアッセイでATRAの代替品として使用可能です2-5。LightOx17(図2)は、他の類縁体より長い分子構造を有しておりレチノイド活性を示さず、他のレチノイド類縁体と同様の特性を持つ非生物活性蛍光プローブとして提供されています。
図1.LightOx蛍光レチノイドプローブの構造
図2.非生物学的活性なLightOx蛍光レチノイドプローブ
LightOxの蛍光特性
LightOx蛍光レチノイドプローブは、一般的なUV-A(DAPIフィルターセットなど)および紫色光源(405 nm)で励起可能です。LightOxの蛍光は、細胞内であれば蛍光顕微鏡、キュベット内であれば分光光度計、ウェルプレート内では一般的なプレートリーダーでも簡単に検出可能です。
励起および蛍光は、ソルバトクロミズム特性を示します(図3-4)。特に、蛍光波長と強度は周辺環境に大きく依存します(図4)。非極性環境では高強度かつブルーシフトし、極性環境では強度が下がりレッドシフトします。この特性から、例えば蛍光顕微鏡での観察からは、局所的挙動だけでなく、環境情報を得ることができます1。
図3.様々な溶媒中におけるLightOx14の吸収スペクトル
図4.様々な溶媒中におけるLightOx14の蛍光スペクトル
レチノイド結合タンパク質への結合特性
LightOx蛍光レチノイドプローブの大部分は、レチノイン酸受容体(RAR)および細胞レチノイン酸結合タンパク質II(CRABPII)(表1)を含むレチノイド結合タンパク質に対して高い結合親和性を示します(非RAR結合コントロールのLightOx17を除く)。この強い結合は、競合的蛍光結合アッセイの開発に利用できます。タンパク質ターゲットからの蛍光レチノイドの置換は、蛍光発光を介してモニタリング可能で、競合リガンドの相対結合親和性を決定するために使用できます。
図5.HaCaT表皮ケラチノサイトのLightOx14生細胞標識。イメージングの前に細胞に60分間ラベリング。左:増殖性細胞の小さな塊で検出されたLightOx14による核標識。右:部分的に分化した細胞の細胞質および核区画で検出されたLightOx14。
使用方法
LightOx蛍光レチノイドプローブはDMSOに溶けやすく、最大10mM程度までの濃度にて保存可能です。
保管条件および安定性
LightOx蛍光レチノイドプローブは光安定性が高く、使用の際に特別な前処理は不要です。DMSO溶液は暗所・4~-20oC環境下で6-12カ月保存可能です。
安全な廃棄方法
サンプルは、廃棄する前に漂白剤処理する必要があります。
参考文献
お問い合わせ先
最新情報はこちら:https://lightox.co.uk/imaging-probes/.
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