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細胞培養でよく見られる問題:沈殿物

培地中の沈殿物:概要

細胞培養培地中の濁りは、コンタミネーションが否定される場合、金属、タンパク質および他の培地成分の沈殿と説明されることが多いです。沈殿物は、栄養分や他の望ましい成分をキレート化のようなプロセスによって取り除き、培地組成を変化させる可能性があるため、細胞の健康状態に有害となり得ます。沈殿物は、顕微鏡検査でアーチファクトとも見えるため、イメージングに依存するアッセイを妨げる可能性もあります。

意図的な沈殿沈殿物は、一般に細胞培養中では望ましくありませんが、上清中タンパク質の精製方法として沈殿を利用する場合があります。例えば、硫安塩析は、時に『塩析』と呼ばれる技術においてハイブリドーマ上清または血清から抗体を精製するために用いられています。

新生仔ウシ血清の沈殿

沈殿の原因

  • 温度変化:温度は、細胞培養における沈殿の主要な原因の1つです。高分子量の血漿タンパク質は、極度の温度変化にさらされると溶液から析出する場合があります。熱不活化および凍結/融解サイクルは、タンパク質の変性や沈殿を促進します。液体や溶解した培地は、使用間に冷蔵保存されるため、特に10倍液または他の濃縮保存液の塩類は沈殿する可能性があります。
     
  • 水分喪失による濃度変化:培地を蒸発させると、培地成分(塩類を含む)の濃度が増加します。結晶沈殿物が、特に培養表面で容易に形成される可能性があります。
     
  • カルシウム塩:無血清培地を調製する際に、成分を添加する順序によっては、不溶性分子が形成される場合があります。特にカルシウム塩は沈殿しやすいです。例えば、CaCl2およびMgSO4は、溶液中で反応して、CaSO4結晶を形成します。オートクレーブ処理およびpH不安定性は、この問題を悪化させます。
     
  • 金属添加剤:銅、鉄、亜鉛の金属は、細胞増殖に不可欠で、重要な無血清培地添加剤です。他の血清成分が存在しないと、これらの金属が培養下で沈殿し、細胞にとって有毒な環境となります。さらに、銅および亜鉛は、酸化的条件下で沈殿しやすいです。
     
  • コンタミネーション:培養の濁りは、細菌または真菌のコンタミネーションに起因する可能性があります(詳細はこちら)。

細胞培養における沈殿物に対するトラブルシューティング

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