バイオマーカー・代謝物標準物質
バイオマーカーは、血液、体液、組織に存在する生体分子であり、生物学的プロセスや条件の想定可能な指標として機能します。生物学的プロセスにおけるその目的に基づき、バイオマーカーは主に感受性/リスクバイオマーカー、診断バイオマーカー、モニタリングバイオマーカー、予後バイオマーカー、予測バイオマーカー、薬理学バイオマーカー、安全性バイオマーカーに分類されます。
アミノ酸、脂質、ペプチド、核酸、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの代謝物は、代謝反応の中間体または最終産物として生成される小さな分子であり、細胞内、組織内、器官内、生体内におけるこれらの分子の研究は、メタボロミクスとして知られています。代謝物は、生理的プロセスや疾患状態におけるその役割、体内または体外のその起源に基づいて、一次または二次、内因性または外因性に分類されます。
代謝物・バイオマーカー標準物質は、代謝状態や疾患進行に関する基本的な情報を提供して、正確な診断、予後、個別化治療戦略を可能にするため、臨床・診断試験において不可欠なツールです。これを達成するためには、高品質な代謝物・バイオマーカー標準物質の使用が非常に重要です。なぜなら、これらの標準物質は試験結果の精度、一貫性、再現性を確保することにより、臨床決定や研究結果の信頼性を高めるからです。
メルクでは、質量分析を利用するメタボロミクスやバイオマーカー試験に適した代謝物・バイオマーカー標準物質を幅広く提供しています。代謝物標準物質は、代謝パネル検査、基礎代謝パネル検査、新生児スクリーニング検査、先天代謝異常スクリーニング検査など、あらゆる種類の代謝物検査に適しています。メルクのバイオマーカー標準物質も、アルコールのバイオマーカー検査、アスリートのバイオマーカー検査、炎症バイオマーカー試験、さらにはがんのバイオマーカー検査など、さまざまなバイオマーカー検査法やバイオマーカー試験に対応しています。
メルクの製品は、代謝プロファイリング、臨床・診断検査、新規バイオマーカー同定のためのターゲット分析、製薬研究、内分泌学など、さまざまなアプリケーションに対応しています。メルクが提供する製品には、ゲノミクスに適したSeraseq®のがん検査用・NIPT用製品などの臨床的に重要な内因性化合物、さらにはアミノ酸、脂質、炭水化物、胆汁酸、ビタミンD、カテコールアミン、神経伝達物質、男性・女性・新生児・甲状腺の健康に関連するホルモンなどの主要代謝物があります。
セクションの概要
関連製品資料
- Brochure: Diagnostic Metabolites
Reference Materials for newborn screening & detection of metabolic diseases.
Seraseq® NIPT検査用標準物質
Seraseq® NIPT用標準物質は、患者サンプルに類似の高品質コントロールであり、非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)ワークフロー全体をアッセイ開発から日常品質管理までサポートするように設計されています。母体血漿由来で、臨床サンプルを模倣するこれらの標準物質では、全ゲノム(WG)法やSNPを用いる胎児分画推定法などのさまざまなアッセイ技術やプラットフォームとの適合性を確保するため、本来の胎児・母体cfDNA特性が保たれています。これらの標準物質は、トリソミー21、18、13などの一般的な異数性や、22q11微小欠失などの性染色体異常を含む広範な範囲に適用されます。ISO 13485認証施設においてcGMPに準拠して製造されたSeraseq® NIPT用標準物質は、ロット間一貫性が保証されており、保存期間が長いため、安定性と信頼性をもたらします。また、血漿をまねた便利なシングルバイアルフォーマットであるため、NIPT検査ワークフローに簡単に取り入れることができます。
Seraseq® NGSがん検査用標準物質
Seraseq® がん検査用製品は、プレシジョンオンコロジーにおける次世代シーケンシング(NGS)の開発、バリデーション、モニタリングに対応するように設計されている一連の標準物質を包括的に提供します。これらの高度に多重化した患者サンプル類似材料は、DNA、NRA、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)などのさまざまなフォーマットで提供しており、SNV、INDEL、CNV、SV、およびRNA融合などのさまざまな種類を幅広く網羅しています。腫瘍プロファイリング、がん免疫、リキッドバイオプシー、疾患モニタリングに最適なSeraseq® がん検査用標準物質は、結果の一貫性、再現性、信頼性を保証して、がん診断および個別化治療戦略を進歩させるための第一の選択肢となっています。
ホルモン検査用標準物質
メルクが幅広く提供しているホルモン標準物質には、ホルモン代謝物の正確で再現性のある検出のためのCerilliant® 認証標準物質(CRM)溶液およびVETRANAL® 分析用標準物質があります。これらの標準物質は、純物質と溶液のかたちで提供しており、HPLCやGC分析に適しているため、信頼性のある正確な結果が確保されます。
アミノ酸代謝物の標準物質
メルクでは、アミノ酸の分析用標準物質と認証標準物質(CRM)を幅広く取り揃えており、未標識と安定同位体標識した内部標準も含まれています。私たちの製品は、単一溶液または複数の分析物ミックスのかたちで提供しており、GC/MSやLC/MSのプラットフォームでの使用に最適化されています。
メルクのTraceCERT™ 認証標準物質は、内部標準の調製、システム適合性試験、直線性検証、技量試験などのさまざまな定量的用途で一貫した信頼できる結果をもたらします。安定した定量的溶液フォーマットは、使いやすさ、材料廃棄の削減、効率の向上を保証し、認証濃度値は臨床・研究における一貫性と精度の向上をもたらします。
ヒドロキシビタミンDの標準物質
25-ヒドロキシビタミンDは、血中ビタミンDレベルの臨床的評価に使用されるよく知られた安定代謝物です。メルクが提供している25-ヒドロキシビタミンD標準物質には、認証標準物質が含まれており、それらは未標識と同位体標識のかたちで提供しており、臨床試験の精度と信頼性が確保されます。
カテコールアミン・生体アミンの標準物質
カテコールアミンは副腎で産生されるアミンで、ホルモンとしても神経伝達物質としても機能します。主なカテコールアミンには、ドーパミン、エピネフリン(アドレナリン)、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)があり、これらはすべてアミノ酸L-チロシンに由来します。メルクは、正確な臨床分析をサポートするために、単成分・多成分溶液のかたちで、カテコールアミン代謝物の認証標準物質(CRM)を幅広く提供しています。
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