分析用HPLCによるオリゴヌクレオチドの品質管理
RP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー)、IE-HPLC(イオン交換高速液体クロマトグラフィー)、UPLC(超高速液体クロマトグラフィー)により、オリゴヌクレオチドの純度を定量的に評価することができます。ご要望に応じてこれらの評価を承ります(追加料金がかかります)。
RP-HPLC
RP-HPLCの原理は、完全長配列(疎水性トリチル基を有する)とショートマー(トリチル基がない)の疎水性の違いに基づいています。完全長配列はカラムに吸着しますが、ショートマーは洗い流されます
(図1)。塩基数が50を超えるオリゴヌクレオチドの精製には一般にRP-HPLCは推奨されません。長いオリゴヌクレオチド分子(最大塩基数80)をRP-HPLCによって精製することは可能ではあるものの、純度および収量が低下することがあります。RP-HPLCは、幅広い分子の分離に効果的な手法です。
図1.A:RP-HPLCによる分離 B:逆相クロマトグラムの一例
IE-HPLC
IE-HPLCの原理は、オリゴヌクレオチドの構造中に存在する荷電基(リン酸基)の数に基づいています。陰イオン交換法では、第四級アンモニウム基固定相に、塩濃度勾配のある移動相を流します(図2)。40塩基までの分析において推奨されています。RP-HPLCではなくIE-HPLCを用いる主な理由は、二次構造をとるオリゴヌクレオチドを分析するためです。この二次構造はGC含有量が高い配列でよく見られます。IE-HPLCは移動相が強アルカリ性のpHを有し、それによって水素結合を切断し、二次構造を壊すことから、そのようなオリゴヌクレオチドに対して有効です。
図2.A:IE-HPLCによる分離 B:陰イオン交換クロマトグラムの一例
UPLC
粒子の化学性能、検出器および装置の進歩によって、標準的HPLCは超高性能の機器に変化しつつあります。UPLCでは分析物を効率的に分離することができます。この場合、短鎖および長鎖オリゴヌクレオチドを単一塩基分解能で分析することができます。装置の効率によって分離時間が短縮されるため、分析時間全体が短縮されます。
結論
追加料金がかかりますが、オリゴヌクレオチドの純度を評価するためのいくつかの分析用クロマトグラフィー手法をご用意しています。ご質問がある場合はテクニカルサービス(customjp.ts@merckgroup.com)までお問い合わせ下さい。
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