ポリ(2-オキサゾリン):生物医学向け多用途性ポリマープラットフォーム
Victor R. de la Rosa1, An Van Den Bulcke2, Richard Hoogenboom1
1Supramolecular Chemistry Group, Department of Organic and Macromolecular Chemistry Ghent University, Krijgslaan 281-S4, 9000 Ghent, Belgium, 2ChemTech, Department of Organic and Macromolecular Chemistry, Ghent University Krijgslaan 281-S4, 9000 Ghent, Belgium.
Material Matters, 2016, Vol.11 No.3
はじめに
生物医学分野にポリマーが用いられるようになり、生体組織工学やインプラント設計、バイオセンシング、薬物送達などにおいて新たな研究手法が開発されてきました。ポリマーと医薬品との相乗的に組み合わせることにより、連続的な薬物徐放や特定組織への高充填薬物担体の送達といった、医学的に重要な未解決のニーズに取り組むことが可能となります。そのため、ポリマー材料はがん治療、再生医療、遺伝子治療などの研究において重要な要素となっています。
ポリエチレングリコール(PEG:poly(ethylene glycol))またはポリエチレンオキシド(PEO:poly(ethylene oxide))は、タンパク質の半減期延長や免疫原性の低下をもたらすことから、生物医学分野で最も多く利用されているポリマーです。PEGは低い多分散度(Ð)と生体適合性を有し、免疫系に認識されにくい(ステルス性)ため、ポリマーを用いた生物医学的応用では依然としてスタンダードな材料として広く用いられていますが、欠点や限界がないわけではありません。例えば、相当数の患者で抗PEG抗体が検出されていますが1,2、その25%はPEG薬剤による治療を受けたことがありません(多くの化粧品や食品添加物へのPEGの使用が一つの要因と考えられます)。この事実は、繰り返し投与されると、PEGコンジュゲートは血液中から除去されやすくなってしまうことを示唆しています3。さらに、PEGのポリエーテル骨格は酸化による分解が起こりやすく4、インプラント表面の汚損防止5のような長期的使用において大きな問題になったり、PEGに由来する補体活性化を誘発6–8してしまったりする可能性があります。
PEGにはこのような欠点があるにもかかわらず、生物医学用途において大きな成功をおさめ、様々な目的に応じた新たな薬剤の設計や薬物担持、応答性、標的化、標識化など機能の付与を実現する構造多様性を備えた新世代ポリマー材料の開発への道を切り拓きました9–11。ポリ(2-アルキル/アリール-2-オキサゾリン)(一般にPAOx、POx、POzと略されます)は、生体適合性12、ステルス性、多分散度の低さといった要求される性質を維持したままで、高い安定性を示すことや、性質の調節や高度な機能化が可能であることなどの点でPEGより優れています。PAOxポリマーの優れた特性は、標的ドラックデリバリーおよび製剤から生体組織工学および生体組織用の接着剤まで、多種多様な生物医学用途で利用することができます。特に、PAOxは合成上の自由度が非常に高く、物理的特性を明確な方法で微調節できる複雑なポリマー構造の構築が可能であるため、PAOxは精密医療の新しい手法の開発において魅力的なプラットフォームになります13,14。本稿では、PAOxの生物医学用途について、特にドラッグデリバリー用途に対する貢献や想定される影響を概説します。
特性と生体適合性
図1に示すように、PAOxは2-オキサゾリンのカチオン開環重合(CROP:cationic ringopening polymerization)で容易に得られ、第三級アミドで構成される骨格を持つポリマーが生成します。第三級アミドは、ポリマーとタンパク質の相互作用を抑えるため、免疫系による認識が大幅に弱まります15。
求電子性の開始剤[ハロゲン化アルキル、酸ハロゲン化物、(多官能)トシラート、(多官能)トリフラート、(多官能)ノシラートなど]と求核性の末端停止剤(アミン、チオラート、カルボキシレートなど)を選択することで、ポリマー鎖の両端に官能基を導入することができます。ポリマー鎖末端に導入する官能基を選択することで、標的化ユニットやイメージングに用いる放射標識を組み込むことが可能になるほか、PAOxを表面やナノ粒子の修飾に用いることもできます。さらに、2-オキサゾリンモノマーに置換基を導入することでポリマーの側鎖を修飾することもでき、ポリマーの親水性と疎水性のバランスや下限臨界溶液温度(LCST:lower critical solution temperature)を制御することも可能です16。このように側鎖の特性を調節できるので、ポリマー鎖に沿って複数の官能基を導入したり、ヒドロゲルや薬物を大量に担持できる担持体を調製したりすることも可能になります。
図2は、疎水性を段階的に高めた一連のPAOxを示しています。ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)(PMeOx)はPEGよりも親水性が高くなります17。一方、より長いアルキル側鎖を持つPAOxは熱応答性を示し、ポリマー側鎖の疎水性が増加するにしたがって、LCSTが低下します。生物医学用途における熱応答性ポリマーのゴールドスタンダードであるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM、LCST = 32℃、806471)とは対照的に、PAOxが示す熱的ヒステリシスは最小限に留まり、親水性と疎水性の2-オキサゾリンを共重合することでLCSTを微調整できます18。このように微調整が可能であるため、PAOxは刺激応答性のスマート材料の開発において理想的なポリマーであり、検出、診断、トリガー機構を備えたドラッグデリバリーなどへの利用が検討されています19–21。
図12-オキサゾリンのリビングカチオン開環重合(CROP)。開始剤(この図ではトシラート)と末端停止剤(求核剤)を選択することで、α末端とω末端の両方を修飾できます。モノマーを連続的に加えることで明確に制御されたブロック共重合体が得られ、ポリマーの多分散度は非常に低くなります(通常、Ð = 1.05~1.30)。
図2天然ポリペプチドに類似した構造をもつPAOx誘導体とその両親媒性。下限臨界溶液温度(LCST)を共重合で微調整できます。PiPrOxとPnPrOxはポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM、LCST = 32℃)の構造異性体で、代替ポリマーとして使用できる可能性があります。文献14より許可を得て転載。
PAOxのステルス性と優れた生体適合性は、図2で示されているような天然ポリペプチドとの構造類似性から説明することができます。放射標識した5 kDaのPMeOxとポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(PEtOx)22を使用した体内分布の研究では、PAOxが血液中から非常に短時間で除去され、細網内皮系の器官の取り込みは異例に低く、見かけのクリアランスの限界が40 kDaであることが示されています23。10および20 kDaのPEtOxを広い濃度範囲(500~2,000 mg/kg)で繰返し(ラットに)静脈注射した際、悪影響を及ぼすような生体内毒性はないことが示されています17。おそらくPAOxの生体適合性が最も良く確認できる例と言えるのが、現在開発中であるPAOxを使用した初の市販医薬品であり、現在、ヒト初回投与(first-in-human)試験の第Ⅰ相臨床試験が行われています24。
PAOxは優れた生体適合性と合成上の高い自由度を持つ結果として、ドラッグデリバリーにおける次世代のプラットフォームとして関心が高まっており、既に重要な進歩を成し遂げています。大量の薬物を充填した標的ドラッグデリバリー、併用療法、薬物の徐放、製剤などの応用に向けて現在様々な課題に取り組んでいます。PAOxを使用して研究されているドラッグデリバリーの主な戦略を図3にまとめました。これらの戦略は、医薬品有効成分(API:active pharmaceutical ingredient)を共有結合または非共有結合でポリマーに結合させたシステムとは差別化することができます。
図3PAOxが提供するドラッグデリバリーの主な戦略の概観。材料特性を調節できるというPAOxの優れた能力のため、多種多様なドラッグデリバリーシステムにおいてPAOxを利用することができます。
非共有結合による薬物送達
製剤の添加物としてのPAOx
ドラッグデリバリーにおいて最も直接的なポリマーの利用法は、おそらく添加剤としての使用でしょう。APIをポリマーとともに分散させると、ポリマーは薬物の溶解度プロファイルを向上させるマトリックスの役割を果たします。新たに開発される薬物のおよそ90%は水溶性が不十分であるとも言われており、新しい医薬品添加物の探索は非常に重要です25。APIを適切なポリマーと溶融混練法(HME:hot-melt extrusion)や噴霧乾燥法で処理すると、薬物が結晶化せずに安定化した固溶体が形成され、溶解度や生体適合性が大幅に向上します。
De Geestらは、Aquazolを使用してメトプロロール酒石酸塩/PEtOxとフェノフィブラート/PEtOxの錠剤をHME法で調製しました。親水性のメトプロロール酒石酸塩と疎水性のフェノフィブラートの双方について、ポリマーのモル質量を変えることで放出プロファイルを加速または減速することができました26。Urbanovaらは、PEtOxとの固体分散体中でアセチルサリチル酸の放出プロファイルを同様に調節できることを示しました27。さらに、製剤にPAOxを使用すると、不安定なカンナビノイドの安定性が大幅に向上し、最先端の市販のポリマーを使用した場合よりも著しく良い結果が得られることが示されています28。医薬品用途で要求される高モル質量で多分散度の低いPAOxの製造法が最近開発されたため29、製剤におけるPAOxの使用がさらに加速することが期待されます。
PAOxを使用したミセル系
両親媒性ポリマーは自己集合してミセルまたはポリマーソームを形成し、ポリマーの長さと組成を調節することで集合体の形状を選択することができます。ミセル系は、新しいがん治療の多くで特に課題とされている水溶性の低い薬物を多量に充填できるという利点があります。さらに、標的化グループを組み込むプラットフォームにミセルを使用すると、ミセルはEPR効果(血管透過性と蓄積性の増加)のため腫瘍組織に蓄積しやすいことから、受動的および能動的な標的化の双方で有利になります。
PAOxではポリマーの構造と組成を明確に定義できるため、共重合によりポリマーの親水性-疎水性のバランスを微調整することが可能で、ミセルのサイズや薬物放出特性を制御できます。PAOxを使用したミセル系の中で最も多く報告されているのは、ハイブリッド型のPAOx-ポリエステル(PAOx-PE)ジブロック構造か、親水性と疎水性の2-オキサゾリンモノマーの逐次添加により合成されたABA型のトリブロック構造です。
Zhaoらは、ε-カプロラクトンの重合にBoc-NH-PEtOx-OHをマクロ開始剤として使用し、その後、親水性のPEtOxを葉酸残基で修飾しました。このようにして得られた葉酸で修飾されたミセルは、ドキソルビシン(DOX:doxorubicin)を10 wt.%以上充填することができました。このナノ担体は、KB腫瘍を持つヌードマウスに投与したとき、DOXよりも治療有効性が向上し、毒性が低いことが示されました30。同様の標的化ミセル系にFDA承認済の近赤外色素であるインドシアニングリーンを充填した場合、生体内のKB腫瘍の画像化と光熱治療の双方が可能になりました31。
PEtOx-b-P(D-L-lactide)システムについて最近報告されたように、細胞取り込みを向上するため、異なる官能基で修飾されたPAOxを組み合わせることで、ミセル外殻に複数の標的化部分を組み入れることができます32。
Kabanov、Jordan、Luxenhoferによって、疎水性のポリ(2-n-ブチル-2-オキサゾリン)(PBuOx)の中間ブロックと両側のPMeOxブロックで構成されるABA型トリブロックコポリマーからなる非常に優れたミセル系が開発されています33。このポリマー系は100 nm未満のサイズの安定なミセルを形成し、水溶性の低い抗がん剤の担持容量において並ぶものはありません。多様な新世代のタキソイドについて、最大50 wt.%の担持容量が報告されており、これらのAPIの固有の溶解度は最大で9,000倍に増加します34。また、これらの担持容量が大きいミセル系では、複数のAPIをミセル内で組み合わせることによる相乗効果も報告されています35。現在、Kabanovのチームは、これらのPAOxを使用したミセル担体の利点を最も活用できる薬物を予測するためのケモインフォマティクスデータベースを構築中です。
PAOxを使用したヒドロゲル
PAOxはポリマー側鎖に様々な官能基が導入できるため、多岐多様なヒドロゲルを調製することができます36,37。Lecommandouxらは、部分加水分解によりPEtOx鎖中に反応性をもつアミン構造を導入しました。得られたPEtOx–PEI共重合体を、水系の媒体中でビス-グリシジルエーテルにより架橋することで、ドラッグデリバリー用途に最適なサイズで生体適合性を持つ球形ナノゲルが作製できます38,39。さらに、PEtOx-ポリ(ε-カプロラクトン)-PEtOxに基づく注射により投与可能なヒドロゲルが開発されており、生体内の眼内薬物送達において、市販のMatrigell®およびPluronic® F127(P2443)よりも優れた生体適合性を示しました40。
Dargavilleらは、MeOxと2-(デク-9-エニル)-2-オキサゾリンの共重合を元に、細胞接着を促進するCRGDSGペプチド配列で修飾したアルケン側鎖を持つ親水性ポリマーを作製しました。この系にジチオールを加えて架橋することで、透明なヒドロゲルがワンポット法で得られました。このゲル化法の条件は穏和なため、UVによる硬化処理とともに線維芽細胞を封入することが可能で、生体組織工学および再生医療で関心が持たれている細胞-ポリマー三次元構造物を作製できます41。
共有結合による薬物コンジュゲート
PAOx-薬物およびPAOx-タンパク質のコンジュゲートまたはPAOx化
トリプシン、カタラーゼ、血清アルブミン、インスリン、ウリカーゼなどの様々なタンパク質をPAOx化することで、これらのタンパク質をPEG化した場合と同等の性能を示すコンジュゲートが得られます42,43。興味深いことに、PEtOx-インスリンのコンジュゲートは、最長で未修飾のインスリンの4倍長い8時間にわたって血糖値を下げることが判明しています17。Kabanovらは、様々な末端基にピペラジンを持つPAOxを活性NHSエステルで修飾し、西洋ワサビペルオキシダーゼのコンジュゲートを調製しました44。両親媒性であるPMeOx-b-PBuOx共重合体もしくはPEtOx-b-PBuOx共重合体で修飾したタンパク質は、修飾していないタンパク質と比較して触媒活性の90%を維持しながら、細胞への取り込みが3倍から6倍向上することが示されました。スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)のコンジュゲートに同様の共重合体が使用され、生体外ではコンジュゲートの神経細胞への取り込みが向上することが確認され、生体内では血液脳関門を高効率で通過することが示されました45。
クリックケミストリーに用いられる官能基を親水性のPMeOx鎖またはPEtOx鎖に導入する手法46が、タンパク質および薬物のコンジュゲート作製に有効であることが判明しています。MeOxおよびEtOxと2-(ペント-4-イニル)-2-オキサゾリン(PynOx)との共重合体は、ウイルス様粒子(VLP:virus-like particle)を安定化できる複数の結合点を持っています。バクテリオファージQβのコートタンパク質180個からなる超分子集合体であり、正二十面体構造を持つVLPの表面を、アジド-N-ヒドロキシコハク酸イミドエステルを使用してアジド基で修飾しました。銅触媒アジド-アルキン環化付加反応(CuAAC:copper-catalyzed azide-alkyne cycloaddition)を用いてVLPとPMeOx/PEtOx-ran-PynOx共重合体のクリック反応を行うと、非常に熱安定性に優れるPAOxで被覆されたVLPが得られました。さらに、ポリマーの長さと修飾密度を調節することで、粒子のサイズを制御できました47。
Serina Therapeuticsでは、パーキンソン病治療向けにロチゴチンを1週間にわたって徐放するため同様のPEtOx-ran-PynOxポリマーを使用しています。APIはCuAACのクリックケミストリーによって結合され、生分解性エステルスペーサーを介しているために薬物の徐放が可能になり、血漿レベルを一定に保つことができます48。SER-214と名付けられたこのポリマーは現在第I相の臨床試験が行われており、合格した場合はFDAの承認を受けた最初のPAOx治療法となります24。
Hoogenboomらは、EtOxと2-メトキシカルボニルエチル-2-オキサゾリン(MestOx)の共重合を行って、ポリオキサゾリン鎖にメチルエステル基を導入しました49。このポリマーは、メチルエステル基をアミンで直接アミド化させることで多様な官能基を導入することができ、汎用性の高い反応点であることが示されました。この合成法により、新しいPAOx-薬物コンジュゲートを調製する上での多様性が大きく広がりました50。
近い将来に、ポリマー鎖の末端に葉酸基や抗体などの標的化部分を結合させるなど、より高機能な複数の薬物を包含したPAOx-APIコンジュゲートが開発されていくでしょう。このように、この魅力的な分野には進歩の余地が豊富に存在します。
PAOxで機能化したナノ粒子
ナノ粒子(NP:nanoparticle)は、その特有の光学的、電子的、磁気的な特性を維持したままで複数の官能基を導入できるため、イメージングやドラッグデリバリーなどの生物医学分野での応用において非常に重要です。ナノ粒子と結合したPAOxは、ステルス性のコロナを形成し、ナノ粒子を安定化して短時間で除去されるのを防ぎ、生物活性を持つ化合物を組み入れる信頼性の高い足場となります。これに関連して、BenettiらはPMeOx-OHをニトロドーパミンで修飾し、イメージングに向けたZnOナノ結晶を修飾しました。4 kDaのPMeOxで修飾した場合、最長で9か月間の非常に優れた安定性を示す独立分散したナノ結晶が得られました51。
PAOxをナノ粒子の安定性とステルス性の向上に用いる他、熱応答性PAOxを用いることで外部刺激に応じて凝集する応答性またはスマートナノ粒子が調製されています20。最近、熱応答性のポリ(2-イソプロピル-2-オキサゾリン)(PiPrO)で修飾されたポリオルガノシロキサンを使用した蛍光ナノ粒子が開発されました(図2)。31℃未満では、血清を含む媒体にこのPiPrOxナノ粒子を分散させると防汚性を示しました。これよりも高温になると血清タンパク質がナノ粒子に吸着するようになりますが、この吸着は可逆的で温度を下げると脱離します。この性質を利用して、局所的な加熱により標的の細胞または器官の中でナノ粒子の凝集を促進することができます19。
最後に、PAOxを使用したミセルおよびコンジュゲートの場合と同様に、PAOxは生物学的障壁に対するナノ粒子の透過性を向上することが可能です。Khutoryanskiyらは、チオール-エン反応を用いて。末端にアルキン基を持つ5 kDaのPEtOxでチオール化シリカナノ粒子を修飾しました。得られたナノ粒子は、生体外でブタ胃粘膜に対する透過性が類似のPEG化ナノ粒子と同じように向上することが示されました52。PAOxの組成や親水性–疎水性のバランスを簡単に調節できることを考慮すると、生物学的障壁に対する透過能力をさらに向上させた高効率の薬物送達担体が開発されることが期待されます。
結論および今後の展望
生物医学の発展に大きく貢献する多種多様な材料がポリオキサゾリンから作製できる可能性があり、そのインパクトは他の既存のポリマーと比べても非常に大きいものです。PAOxの優れた生体適合性と安定性は多数の独立した研究ですでに確認されており、現在ポリオキサゾリン治療法のヒト初回投与試験の第I相試験が進行中です。構造および機能が多様であり、オキサゾリンの重合は高度に制御可能であることから、PAOxは次世代のドラッグデリバリーシステムの開発における、適用範囲が広く非常に魅力的なプラットフォームです。
謝辞
V.R.R. would like to thank Flanders Innovation and Entrepreneurship for financial support.
参考文献
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